群馬県高崎市が2026年度から市内の全58小学校で朝7時開門を決定し、現場から大炎上しています。

校務員が次々と退職し、教職員組合が「人権無視」と猛反発を続けているのです。

それでも市長の富岡賢治氏は「反対意見は全く関係ない」と強行の構えを崩しません。

共働きの保護者から「子どもの睡眠を削ってまで必要か」という切実な声が相次いでいます。

「朝の小1の壁」対策として始まったはずのこの施策ですが、実際は予算ゼロ円で人員配置もなく、現場に丸投げの状態です。

現場の校務員と教員に負担を押し付ける形で、全国でもわずか3%しか試行していない段階での全校一律実施なのです。

こんなやり方が本当の「子育て支援」だとは、私も子を持つ者として到底理解できません。

 

高崎市の小学校7時開門がおかしい理由

 

高崎市のこの方針は、現場の声に耳を傾けず進む姿が、胸に刺さるほどの問題だらけです。

現場の校務員や教員は朝7時前に出勤を強いられ、1日の労働時間が12時間近くに膨らみます。

子どもたちは睡眠時間を削られ、早朝に1人で登校し、誰もいない教室で待機することになるのです。

保護者は一時的に朝の負担が減るかもしれませんが、根本的な解決には程遠く、むしろ長時間労働を助長する結果になっています。

日本女子大学名誉教授の大沢真知子氏は「朝の小1の壁は働き方改革で解消すべき。早朝開門は子どもの睡眠・教育質を犠牲にし、最悪の解決策」と断言しているのです。

子育てアドバイザーの高祖常子氏も「預かり所化で学校の本質を失う。企業の時差出勤や民間連携が本筋」と指摘しています。

専門家の声を聞けば聞くほど、この施策の危うさが浮き彫りになってきます。

 

子供の睡眠不足と体力的な限界

 

小学1年生に必要な睡眠時間は9時間以上とされています。

ところが7時に学校へ行くとなれば、朝6時には起床しなければなりません。

そうなると夜9時には寝る必要がありますが、現実的にそれが可能な家庭がどれだけあるでしょうか。

結果として睡眠時間は6〜7時間に短縮され、慢性的な疲労状態に陥る子どもが続出します。

文部科学省の調査では、睡眠不足の子どもで不登校の相談が生活リズム不調関連で目立ち、リスクが大幅に高まるというデータが出ています。

集中力は低下し、授業中にぼーっとする時間が増え、学習意欲も失われていくのです。

専門家は「睡眠相後退のようなリズム乱れが脳の発達を阻害する」と警告しています。

成長期の子どもにとって、睡眠は何よりも大切な時間です。

高崎市では7時登校が従来の登校班を崩し、子どもたちの負担をさらに重くします。

通常8時頃に集団で登校していた子どもたちが、バラバラの時間に登校するようになれば、体力的な消耗も激しくなるでしょう。

小学1年生の体力を考えれば、早朝の登校がどれだけ負担になるか、容易に想像できるのではないでしょうか。

 

校務員・教員の労働環境の破壊

 

この方針発表後、校務員の退職が相次ぎ、すでに10人以上が辞めています。

一部の学校では校務員がほぼ全滅し、運営が機能不全寸前です。

教員も朝7時前に出勤しなければならず、1日の労働時間は12時間を超える計算になります。

教職員組合は「人権侵害だ」と声を上げ、「精神的負担でうつ病が増加する」と訴えているのです。

市長はそんな悲鳴に対し、「なんでも嫌な人はいる」と一蹴しました。

この発言を耳にし、私も現場の苦労を知る者として耳を疑わずにはいられません。

現場の悲鳴を「嫌な人」の一言で片付けるとは、どういう神経をしているのでしょう。

予測では離職率が20%超え、教育現場の崩壊が目前に迫っています。

誰が子どもたちを見守るのか、誰が安全を確保するのか、その答えは誰も持っていません。

現場を支える人たちがいなくなれば、どんな施策も絵に描いた餅になってしまうのです。

 

登校時間分散による登下校時の安全低下

 

従来、子どもたちは8時頃に集団で登校していました。

これが7時に分散することで、孤立して登校する子どもが増えます。

早朝の暗い時間帯、交通量が少ない道を1人で歩く小学1年生の姿を想像してみてください。

警察庁のデータでは、早朝の登校時間帯で事故リスクが高まりやすいとされています。

誘拐や不審者との遭遇リスクも当然高まるでしょう。

にもかかわらず、高崎市は人員配置をせず、監視体制ゼロで進めようとしているのです。

親なら、子どもを送り出す朝の不安が募るばかりです。

「学校に着けば安全」という前提すら、もはや信頼できない状況になっています。

子どもの安全を守るためには、人員配置と見守り体制が絶対に必要なはずです。

 

学校を「預かり所」化する教育の質の低下

 

7時から8時までの1時間、子どもたちは何をして過ごすのでしょうか。

高崎市の方針では、遊びや見守りプログラムは一切用意されていません。

つまり子どもたちは自習か待機、ただ時間を潰すだけの空間に放り込まれるわけです。

これでは学校がただの託児所に成り下がってしまいます。

専門家は「学習意欲が低下し、教師の指導時間も削減されることで学力格差が拡大する」と指摘しているのです。

教育施設としての本質を失い、ただ子どもを預かるだけの場所になってしまえば、それは学校とは呼べません。

子どもたちの時間を奪い、教育の質を犠牲にしてまで、朝7時開門を強行する意味があるのか、私には疑問です。

学校は本来、学びと成長の場であるべきではないでしょうか。

 

保護者の長時間労働を助長する構造的矛盾

 

一見すると、朝7時開門は保護者の負担を減らすように見えます。

しかし実際には、企業側の対応が全くないまま早朝開門だけが先行しているため、保護者の出勤時間が早まり、残業が増える結果になっているのです。

内閣府の調査では、こうした壁対策の不備で保護者の退職率が1%近く低下し、離職が増える傾向が見られます。

「壁を低くするはず」が、結局は高いままの長時間労働を固定化しているだけなのです。

根本的な解決には、企業の働き方改革や時差出勤の推進、フレックスタイム制度の導入が不可欠です。

学校の開門時間を早めるだけで問題が解決するなど、誰が本気で信じているのでしょうか。

保護者を追い詰め、子どもを犠牲にし、現場を崩壊させる三方一両苦。

このような施策を、誰が望んでいるのか、私には全く理解できません。

 

高崎市の小学校7時開門と他市の対策の違い

 

高崎市の方針が際立って異常に見えるのは、他の自治体の取り組みと比較すれば一目瞭然です。

全国の「朝の小1の壁」対策は試行段階が多く、専用の予算と人員を確保して進められています。

高崎市のような予算ゼロで全校一律の強行例は、ほとんど見当たりません。

他市が民間委託や専用スタッフを配置し、学校現場の負担を軽減しようと努力しているのに対し、高崎市は「現場頼み」の一言で片付けています。

こども家庭庁が推奨する「校庭開放+見守り員」モデルとも大きくかけ離れており、持続可能性のかけらもありません。

他の自治体がどのように対策を進めているのか、具体例を見てみましょう。

 

船橋市:専用スタッフによる居場所作り

 

船橋市は2026年3月から5つの小学校で試行事業を始める予定です。

「船っ子教室」のスタッフが朝7時から8時まで対応し、読書や自習のプログラムを提供します。

スタッフは市雇用で、1校あたり月50万円の予算を投じる計画です。

保護者は申込制で有料ですが、その分しっかりとしたサービスが受けられる仕組みとなっています。

校務員や教員に負担をかけることなく、専用の人員が対応するため、現場からの反発はほとんどないと見られています。

試行段階で効果を検証し、問題があれば柔軟に調整できる体制も整える予定です。

これこそ、本来の「子育て支援」の姿です。

予算を確保し、専門スタッフを配置することで、子どもにも現場にも負担をかけない仕組みが実現しようとしているのです。

 

調布市:見守り員を配置した試行事業

 

調布市の「みまモーニング」は2025年5月に始まった事業で、現在10校で実施されています。

市が民間企業に委託した見守り員が、朝7時30分から8時15分まで教室や体育館を開放し、子どもたちを見守ります。

委託費は年間1,000万円超ですが、市は子どもの安心のために投資した価値があると見込んでいます。

各校で10〜20人程度の子どもが利用しており、今後さらに拡大する予定だというのです。

プロの見守り員が安全プログラムを提供し、子どもたちが安心して過ごせる環境を整えています。

高崎市との違いは、「プロに任せる」か「現場に丸投げ」かの差です。

予算を投じてでも子どもの安全を守る姿勢が、調布市には見られます。

 

他県事例:民間学童との連携による朝預かり

 

品川区では2025年10月から、戸越小学校など3校で「朝の居場所」事業を始めています。

学校内で朝7時半から預かり、学習や遊びのプログラムを有料で提供しているのです。

大阪の泉南市でも、GEN社と連携してパソコンや運動支援を含む朝預かりが始まっています。

全国モデルとして注目される「JWUほうめいクラブ」では、就学前からの連携も進んでおり、民間の専門性を活用することで教育の質を向上させています。

こうした事例に共通するのは、予算をしっかり確保し、民間の力を借りることで学校現場の負担を分散させている点です。

高崎市のように、ゼロ円で現場に丸投げする発想とは、根本的に異なります。

他の自治体が真剣に子どもと現場のことを考えているのに対し、高崎市の姿勢はあまりにも安易ではないでしょうか。

 

高崎市の小学校7時開門で子供への影響は?

 

子どもたちへの影響を考えると、背筋が寒くなります。

睡眠不足による慢性疲労、集中力の低下、そして不登校リスクの増加が懸念されます。

厚生労働省のデータでは、睡眠不足の小1児童で不登校率が1.5倍近くに跳ね上がる傾向があるのです。

早朝に1人で待機することで感じる孤独や不安、抑うつ感も無視できません。

国立成育医療研究センターの研究では、早朝の孤独が子どものストレスホルモンを高めやすいという結果が出ています。

高崎市では人員なしで、7時登校の子どもが空っぽの教室で1人待つことになります。

暗い早朝に登校するため、視界も悪く、事故やいじめの盲点になる可能性も高いのです。

「学校=安心」という前提が崩れた今、子どもたちは「鍵っ子」と同然の精神的負担を抱えることになるでしょう。

専門家は「大人の都合で子どもの睡眠や遊びを削るのは、子どもの心を傷つける」と指摘しています。

あかね
あかね
私たち大人には重く響く言葉ね

生活リズムが乱れることで、学力や社会性の発達も阻害されます。

昼夜逆転の生活に陥れば、不登校がさらに深刻化し、取り返しのつかない事態になるかもしれません。

自己肯定感の低下や孤立感の増大が、子どもの心に影を落とします。

子どもの心と体を犠牲に早朝開門を強行するのは、誰の得にもなりません。

現場が崩壊し、校務員が退職し続ければ、最終的に誰が子どもたちを見守るのでしょうか。

こども家庭庁も「持続不能な対策は逆効果」と指摘しています。

保護者の負担が一時的に減ったとしても、子どもの安全網が崩壊すれば、結局は保護者の負担が逆に増えることになるのではないでしょうか。

 

高崎市の方針は、短期的な対症療法に過ぎず、根本的な解決には程遠いと言えます。

むしろ問題を先送りし、さらに深刻化させる結果になるかもしれません。

子どもたちの未来のため、今一度立ち止まって考え直す時です。

大人の都合ではなく、子どもの視点に立った政策こそが、真の支援です。

それが本当の「子育て支援」であり、社会全体で取り組むべき課題なのです。

高崎市には、現場の声に耳を傾け、子どもたちの未来を第一に考える姿勢を取り戻してほしいと切に願います。