ガソリンが上がった、卵が高くなった。

そういうニュースは毎日流れてきますよね。

でも、今この瞬間に進行している本当に怖い問題は、そのずっと奥に隠れています。

「ナフサ」という言葉を聞いて、すぐにピンとくる方は少ないのではないでしょうか。

石油化学の現場で働く方か、よほど情報感度の高い方でなければ、日常生活でまず出会わないこの単語。

ところがこのナフサが、今まさに日本の医療体制の根幹を揺るがしつつあるというのをご存知でしょうか?

点滴バッグが作れない。

注射器が届かない。

手術用の手袋が品薄になる。

こうした問題が、絵空事ではなく現実の話として動き始めているんです。

 

テレビのニュースはどうかといえば、「冷静に対応を」「直ちに影響はない」というフレーズを繰り返しますが、果たしてそれは本当でしょうか?

コロナ禍の初期、マスクが消える直前にも同じ言葉が流れていましたよね。

令和の米騒動のときも、棚が空になる前日まで「十分な在庫がある」とアナウンスされていました。

オールドメディアの「大丈夫」を額面通りに受け取って、痛い目を見た経験がある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ナフサ不足という問題の構造を丁寧に分解しながら、「いつ、何が、どうなるのか」を整理します。

ホルムズ海峡で今、何が起きているのか

まず、この問題の震源地となっているホルムズ海峡の現状を確認しておきましょう。

2026年2月末、米国・イスラエルによるイラン攻撃をきっかけに、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡の事実上の封鎖に踏み切りました。

機雷の敷設、船舶への攻撃警告、無人艇やドローンによる威嚇——あらゆる手段で通航を妨げている状態です。

通常、この海峡では1日あたり120隻前後の船舶が行き交います。

世界の石油輸送量の約2割がここを通過するという、まさに「海の咽喉部」ともいえる場所です。

それが今、ほとんど機能していません。

一部のタンカーが船舶位置情報をオフにしながら通過する事例も確認されていますが、全体として供給不安が解消されるには程遠い状況が続いています。

 

3月12日には、イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ師が「封鎖継続を徹底抗戦の手段として使う」と声明を発表しました。

封鎖はすでに4週目に入っており、短期解決の可能性はかなり低いと見ておいた方がよさそうです。

米軍がイランの機雷敷設船を複数破壊したとの報道もありますが、完全な通航再開にはまだ遠い状況です。

 

3月26日からは日本政府が国家備蓄の放出を開始しました。

民間備蓄義務量の引き下げも含め、国内需要の一定期間分をカバーする規模とされています。

赤沢経産相は「代替輸入と国内精製で約4ヶ月分の確保が可能」との見通しを示しています。

ただし、この「4ヶ月分」という数字には注意が必要です。

燃料としての原油の話なのか、石油化学原料としてのナフサの話なのか——ここが曖昧なまま「大丈夫」と言われても、正直、額面通りには受け取れませんよね。

原油254日 vs ナフサ20日、この格差が致命的

ここで、多くの方が見落としている構造的な問題を整理しておきたいと思います。

日本の原油の国家備蓄は約254日分あります。

緊急時に備えて国が積み上げてきた安全弁で、有事の際もある程度の時間は稼げます。

ところが、ナフサの国家備蓄は事実上ゼロです。

民間の在庫も、業界(民間)推計では約20日分程度しかないとされています。

政府・業界は「代替調達で約2ヶ月分確保の見込み」との声明を出していますが、この数字との温度差は無視できません。

原油は半年もつのに、ナフサは3週間で底が見える——この非対称性こそが、今の危機の核心です。

 

少し補足しておくと、原油を精製するとガソリン、軽油、灯油、そしてナフサが取り出せます。

このナフサをさらに高温で分解すると、「エチレン」というガス状の化学物質が生まれます。

エチレンこそが、現代の産業を支えるプラスチックの大元締めです。

「原油が余っているならナフサも作れるはずでは?」と思う方もいるかもしれません。

確かに理屈の上ではそうなのですが、国内の精製設備の稼働状況やボトルネックを考えると、原油在庫がそのままナフサの増産に直結するわけではないのが現実です。

しかも日本が輸入するナフサの約45%前後は中東(UAE・クウェートなど)由来で、その多くがホルムズ海峡を経由します。

代替調達先を探すにしても、中東産の急減を即座に補える規模の調達先は限られています。

Bloomberg などの分析では「ナフサ不足は日本の供給網全体の崩壊リスクを示す炭鉱のカナリアだ」との指摘もあり、燃料が優先される中で医療・産業用が後回しになる可能性が懸念されています。

原油半年分の安心感と、ナフサ3週間で底が見える現実——このギャップを把握しているかどうかで、今後の備えの速度がまったく変わってきます。

ナフサが止まると、病院の何が止まるのか

「医療が危ない」と言われても、具体的なイメージが湧かない方も多いと思います。

ここで、エチレン由来のプラスチックが使われている医療製品を、現場の目線で整理してみましょう。

 

◆ 点滴バッグ・輸液セット

ICUや手術室、がん化学療法、脱水症状の治療——入院医療の基盤中の基盤です。

PE・PP製で、入院患者ひとりが1日に使う数は数十個にのぼることもあります。

代替品はガラス瓶しかありませんが、重くて割れやすく、滅菌も難しいため実用的とはいえません。

 

◆ 注射器(シリンジ)・針カバー

採血、投薬、ワクチン接種、インスリン注射、歯科麻酔——あらゆる医療行為の基本ツールです。

PP製で、これが不足すると外来診療の速度そのものが落ちてしまいます。

 

◆ 手術用・検査用手袋

感染防止の最前線となるアイテムです。

手袋なしで手術はできませんし、供給が止まれば院内感染リスクが一気に高まります。

すでにクリニック院長からは「手袋の価格が急騰して、点滴をするほど赤字になる」という悲鳴のような声も上がっています。

 

◆ 人工透析の回路・膜・チューブ

最も深刻なのがここです。

日本には約33.7万人(2024年末時点)の透析患者さんがいます。

週3回、1回4〜5時間の治療が標準で、使い捨ての回路・膜・チューブが毎回必要になります。

これが止まれば、高カリウム血症や心不全で命に直結します。

しかも多くの病院はSPD方式(使った分だけ即補充するジャストインタイム在庫管理)を採用しているため、在庫は数日〜1週間分しか持っていないのが実態です。

一部の報道では、タイ・ベトナムなど東南アジアの製造工場にも供給不安が波及しており、早い場合は夏以降に国内出荷が困難になるとの予測も出ています。

 

◆ EOガス(エチレンオキサイドガス)による滅菌

エチレン由来のこのガスは、熱に弱い内視鏡・カテーテル・心臓ペースメーカー・人工関節などの滅菌に欠かせません。

供給が制限されれば、手術室の滅菌工程そのものがボトルネック化します。

 

◆ 製薬工場の無菌製造バッグ・薬剤パッケージ

薬そのものを作る工程にもエチレン由来のプラスチックが入り込んでいます。

「シングルユースのポリオレフィン系製品が製薬工場の無菌製剤ラインを直撃する」という指摘が専門家から出ており、薬の供給にまで影響が波及する可能性があります。

 

コロナ時のマスク不足は「縫製工場の製造能力が追いつかない」という話でした。

今回は次元が違います。

原料の「分子」そのものが届かない、という根本的な詰まりが起きつつあるんです。

お金を積んでもナフサがなければエチレンは作れず、エチレンがなければ点滴バッグも注射器も生産できません。

ネット上では「石油化学が止まると、病院が止まる」という端的な表現が多くの方に共有されていますが、まさにその通りだと感じます。

化学メーカーの「減産」はすでに始まっている

ここが、多くの方が知らない「現在進行形」のファクトです。

国内の化学メーカーはすでに動き始めています。

三菱ケミカル(茨城事業所)、出光興産(千葉・徳山)、三井化学(千葉・大阪)、旭化成・三菱ケミカル共同の水島など、国内エチレン設備12基のうち少なくとも半数程度が、予防的な減産に入っているとされています。

「原料枯渇による完全停止を避けるための措置」と説明されていますが、これを裏返せば「このまま何もしなければ止まる」という見立てがあるからこそ、先手を打っているということではないでしょうか。

 

石油化学工業協会は3月17日の声明で「現時点で直ちに供給困難となる状況ではない」と発表しました。

ポリエチレン・ポリプロピレンなどの主要製品の在庫は「全体で約2ヶ月、主要品目で3.5〜4ヶ月程度」とされています。

しかしこの声明、よく読むと末尾に「ペルシャ湾の船舶の安全な通航回復を強く求める」という一文があります。

業界自らが先行きを心配しているからこそ、異例ともいえる政治的なメッセージを声明に盛り込んだのだと思います。

 

さらに信越化学工業は、塩化ビニール樹脂の4月1日出荷分から+30円/kgの値上げを発表済みです。

この値上げは医療用PVC製品にも波及することが確実で、現場のコスト負担はじわじわと増えていきます。

「在庫はある」「直ちに影響なし」という公式発表と、「減産開始」「値上げ発表」「緊張感を持って注視する」という実態の間にある温度差——この乖離を冷静に読めるかどうかが、備えのタイミングを左右します。

4月・5月・夏、何がいつ起きるのか

この問題で最もよく聞かれるのが「で、いつからヤバくなるの?」という問いです。

現時点の情報をもとに、フェーズ別に整理してみましょう。

 

【今〜3月末:予兆フェーズ】

物理的な完全欠品はまだ出ていません。

ただし、歯科用の局所麻酔容器や一部の検査キットで納期遅延が始まっており、化学メーカーの予防的減産も進行中です。

業界は公式には「大丈夫」と言いながら、水面下で在庫調整に入っている段階といえます。

 

【4月:在庫の綱渡りフェーズ】

信越化学の塩化ビニール値上げが4月出荷分から適用されます。

EOガスの供給制限も始まる見通しで、手術の滅菌工程がボトルネックになり始める恐れがあります。

一部報道では「透析・手術用資材の初期遅れが4月半ば以降に予想される」との指摘も出ています。

医療現場でのコスト増と資材調達の困難さが同時に進行する、かなり厳しい月になる可能性があります。

 

【5月:本格危機フェーズ】

ここが最大の山場になりうるタイミングです。

三菱ケミカル鹿島、出光興産千葉・徳山、三井化学千葉・大阪など国内主要エチレン設備の定期整備が集中する時期です。

減産中の設備がそのまま整備に入れば、エチレン生産量が30〜50%減少するとの予測もあります。

点滴バッグ、注射器、手袋、透析回路の生産が大幅に落ち込む可能性が高いでしょう。

 

【6〜8月:最悪シナリオの入口】

封鎖が長期化した場合、夏以降は「選別診療」が現実の選択肢になりうると指摘されています。

手術の延期・制限、透析回数の削減、救急のトリアージ強化——医療現場が患者を選ばざるを得ない状況です。

一部のアナリストは「超過死亡リスクの増加」や「医療崩壊のドミノ効果」への懸念まで言及しており、正直、これには驚かされました。

 

楽観的な要素がゼロではないことも付け加えておきます。

国際的な圧力の強化や米軍の一部関与、代替航路の活用など、状況が好転する余地は残っています。

しかしイランの新指導者が「封鎖継続」を明言した以上、早期解決に賭けるのは無防備すぎるといえるのではないでしょうか。

 

「上がるもの・上がらないもの」を正確に分けよう

SNSではこの問題に乗じた不正確な情報も飛び交っています。

「トイレットペーパーが消える」「ペットボトル飲料がなくなる」——こういった話は冷静に整理する必要がありますよね。

 

◆ 影響が小さいもの

トイレットペーパー・ティッシュは、原料の約60%が古紙で、残りも北米・東南アジア産パルプが中心です。

中東依存はほぼなく、国内生産率も高いため、日本家庭紙工業会は「在庫は十分」と明言しています。

コロナ禍のような買い占めパニックが起きなければ、棚が空くことはまずないでしょう。

ペットボトルのPET樹脂も、エチレンとは別系統の原料から作られます。

キャップやラベルへの影響はあっても、飲み物そのものが消える可能性は低いといえます。

 

◆ 本当に影響が出るもの

エチレンを原料とする製品は、価格高騰・品薄のリスクが確実に高まっています。

  • レジ袋・大型ゴミ袋(45L・30L)
  • 食品用ラップ・サランラップ・ジップロック等の保存袋
  • 弁当容器・惣菜トレー・刺身パック
  • シャンプー・洗剤・ボディソープのボトル本体
  • 紙おむつ・生理用品の包装材
  • 物流用樹脂パレット・発泡スチロール緩衝材
  • 自動車バンパー・家電外装プラスチック・PVCパイプ

加えて、野菜・卵・パンなどの食料品も包装材コストと運送費の両方が上昇することで、10〜30%の値上がりが予測されています。

三菱ケミカルグループが紙おむつ向け原料の値上げを発表したというニュースも、すでに日本経済新聞(2026年3月26日)で報じられています。

「まだ店頭価格に反映されていないから大丈夫」という判断が、最も危ないタイミングかもしれません。

今すぐ買うべきもの、優先順に整理

医療グレードの点滴バッグや透析回路は、一般の方が入手できるものではありません。

では、私たちにできることは何か。

「病院に行かなくて済む体制を家庭でつくること」と、「値上がり・品薄が確実な消耗品を今のうちに確保すること」——この二軸で考えると、優先順位が見えてきます。

ネット上ではすでに「ポリ手袋のまとめ買い」「歯医者急げ」「ゴミ袋を今のうちに」という声が少なからず見られ、ドラッグストアでも手袋・消毒関連が品薄になり始めているとの報告が上がっています。

 

【第1優先】介護・食品用ポリエチレン手袋 / ニトリル手袋

医療用ニトリル手袋の代替として、日常の衛生管理・介護・食事補助に使えます。

100〜500枚入りのまとめパックが流通しているうちに確保しておきましょう。

家族構成や介護状況に応じて、3〜6ヶ月分を目安にしてみてください。

 

 

【第1優先】アルコール消毒液 / 消毒用ウェットティッシュ

院内感染が増えたとき、家庭内の感染防止ラインを自分で守るための基本装備です。

500ml×10本程度をまず確保しておくと安心できます。

 

 

【第2優先】不織布マスク

マスク本体の不織布素材への影響は小さいですが、耳ゴム部分はエチレン由来のため物流コスト上昇で値上がりが始まります。

50枚×10箱程度が目安です。

 

 

【第2優先】食品用ラップ・ジップロック・保存袋

エチレン直撃商品の代表格です。

食品保存だけでなく簡易的な衛生管理にも使えるので、在庫があるうちにまとめ買いしておいて損はないでしょう。

 

 

【第2優先】大型ゴミ袋(45L・30L)

廃棄物管理は感染防止に間接的に関わる、意外と重要なアイテムです。

生活衛生の観点からも、早めに備えておきたいですね。

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【第3優先】常備薬・OTC医薬品キット

病院の受診が遅れる事態に備えて、解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン系・イブプロフェン系)、胃薬、整腸剤、抗ヒスタミン薬、消毒液、絆創膏を一式揃えておきましょう。

市販の「救急セット」をひとつ購入してから不足分を補う形でも十分です。

 

 

【第3優先】体温計・血圧計・パルスオキシメーター

自宅での体調管理ツールとして、電池式のパルスオキシメーターは特におすすめです。

呼吸器症状や循環器系の状態を数値で確認できるので、「病院に行くべきかどうか」の判断基準として役立ちます。

 

 

【第3優先】紙おむつ・生理用品

包装材の高騰が確実で、値上げ発表が相次いでいる分野です。

中身自体は紙系素材ですが、価格上昇が予想されるため3ヶ月分を目安にストックしておくと安心です。

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全体のコスト感としては、家族(大人2人+子ども1〜2人)+高齢者1人の世帯で1.5〜3万円程度が目安です。

パニック買いや買い占めは周囲に迷惑をかける上に、必要な方に届かなくなるリスクもあります。

「ローリングストック(古いものから使いながら補充していく)」の考え方で、無理なく備えるのが正解だと思います。

物を買う前に、今週やるべきことがあります

備蓄品を揃えることは大切ですが、それと同じくらい——いえ、場合によってはそれ以上に重要な「今週・今日しかできないこと」があります。

物は後から買い足せますが、医療にかかれなくなってからでは取り返しがつかないこともあるんです。

 

◆ 歯の治療を今週中に予約する

ネット上でも「歯医者急げ」として広がっている情報ですが、理由は明確です。

歯科用の局所麻酔薬は容器も包装材もエチレン由来で、供給制限が長期化すると真っ先に影響を受けやすいとされています。

虫歯、歯周病、親知らず、半年以上放置している定期検診——「そのうちやろう」の優先度を今すぐ上げてみてください。

 

◆ 持病がある方は処方薬の備えを相談する

主治医に「ナフサ不足による医療資材不足が心配なので」と正直に相談してみましょう。

状況によっては2〜4週間分の追加処方に応じてもらえるケースもあります。

感情的に「備蓄させてほしい」と言うよりも、現実の状況を説明した方がきっと伝わりやすいでしょう。

 

◆ 病歴・薬リスト・アレルギー情報をA4一枚にまとめる

緊急搬送されたとき、あるいはいつもの病院が機能しなくて別の医療機関にかかるとき、この一枚があるだけで対応の速度がまったく変わります。

血液型、常用薬の名称と用量、アレルギーの有無を整理して防水ケースに入れておくだけでOKです。

 

◆ 透析患者さんがいるご家族は、早急に体制づくりを

透析が止まれば、数日以内に命に関わります。

近隣の透析施設を最低3か所リストアップして、いずれか一つが機能停止した際の転院先を事前に確認しておきましょう。

家族内での送迎・食事管理のローテーションを組んでおくことも重要です。

低カリウム食品(缶詰野菜・梨や林檎の缶詰など)もあわせてストックしておくと安心ですよ。

 

◆ 「病院に行かない」健康管理を今日から意識する

医療資材が逼迫した社会では、「病院のお世話にならない体をつくる」ことが最強の個人防衛策になります。

手洗い・うがい・バランスのよい食事・適度な運動・予防接種——地味に聞こえますが、これらの積み重ねが「病院が混んでいても何とかなる体力」を作ってくれます。

「直ちに影響なし」の裏側で何が動いているのか

政府や業界団体の公式スタンスを、改めて整理してみましょう。

厚生労働省は「現時点では医療用品の安定供給に直ちに支障をきたす状況ではないが、長期的に注視する」というスタンスです。

経済産業省は「代替輸入と国内精製で約4ヶ月分の確保が可能」との見通しを示しています。

石油化学工業協会も「直ちに供給困難な状況ではない。在庫は2〜4ヶ月程度」と発表しています。

これを読んで安心された方は、もう少し注意深く読んでみてください。

「直ちに」「現時点では」という言葉が前置きになっているんです。

つまり、将来については何も保証していません。

そして現場では何が起きているか——化学メーカーの半数が予防的減産に入り、信越化学が塩化ビニールの値上げを決定し、三菱ケミカルが紙おむつ向け原料の値上げを発表しています。

医療現場では「手袋が高くて点滴が赤字」という声が上がっています。

政府が「大丈夫」と言う傍らで、企業は静かに動いています。

このギャップを冷静に読むことが、パニックにもならず、かつ無防備にもならない正しい姿勢なのではないでしょうか。

国が守ってくれる範囲には、どうしても限界があります。

日本の「海の道への依存」はホルムズだけの問題ではなく、構造的な脆弱性を改めて突きつけられている局面だと感じます。

だからこそ、大げさに騒ぐのではなく、家庭単位でできる最小限の備えを淡々と進めることが、今この瞬間に最も合理的な行動だといえるでしょう。

この記事を読んだあなたに、今日一歩踏み出してほしい理由

世の中には、「知っていれば避けられた被害」と「知らなかったから受けてしまった損失」の二種類があります。

コロナ禍の初期、マスクが消える前日に「大丈夫」と言われていました。

令和の米騒動でも、棚が空になるまで落ち着いた対応が呼びかけられていましたよね。

あのとき少し早く動いた人は不便を感じず、そうでなかった人は何週間も困り続けました。

今回のナフサ問題は、そのどちらでもない規模になりうる可能性があります。

使い捨て医療用品が本当に不足すれば、お金があっても手に入らない状況が来るかもしれません。

病院が資材不足で機能を縮小すれば、必要なときに医療を受けられない方が出てくる可能性もあります。

ネット上でも「危機を伝えたのに備えていた人はほとんどいなかった」という言葉が少なくない共感を集めています。

認識されていない危機は、対策されない危機です。

手袋と衛生用品に、数千円。

歯医者の予約に、電話一本。

常備薬のチェックに、30分。

家族で「病院が混んだらどうする?」という話し合いに、5分。

これだけのことで、数ヶ月後の「あのとき動いておいてよかった」という実感が生まれる可能性があります。

逆に今何もしなければ、「知っていたのに間に合わなかった」という後悔だけが残るかもしれません。

この記事を読んだあなたが、少しでも家族を守る一歩を踏み出せたなら、これ以上うれしいことはありません。

今日が、動き出す一番早いタイミングです。

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